いま〈前衛〉であるために──表現者は守られるべきか
同人誌『小さな雑誌』緊急寄稿文 いま〈前衛〉であるために──表現者は守られるべきか 新井卓 去年の六月、東京のゲーテ・インスティテュート・ジャパンで「1968年─転換のとき:抵抗のアクチュアリティについて」を観た。とりわけ印象に残ったゲルド・コンラッド(Gerd Conradt)『Farbtest – Die rote Fahne(カラーテスト─赤い旗)』(一九六八)、岩田信市『THE WALKING MAN』(一九六九)のほか、ゼロ次元のパフォーマンスを記録した映像、加藤好弘『バラモン』(一九七一〜一九七六)があった。 かつて、愛知県警に守られゼロ次元による路上全裸パフォーマンスが行われた名古屋で、五年前、鷹野隆大氏のヌード写真作品が刑法一七五条(わいせつ物頒布等の罪)に問われ、警察から撤去を命令される事件が起きた。