プロジェクト_残丘(Zankyū)セッション #07:
藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授/農業史・現代史)「給食の裏面史──アメリカの贈り物の内実」
Project Monadnock: Session #07
Hidden History of Japanese School Meal Program: the Truth inside the American Gift
Tatsushi Fujihara / Associate Professor, Institute for Research in Humanities, Kyoto University
日本の給食の歴史は、貧困児童の対策として19世紀末から始まった、と言われています。その後、関東大震災、昭和恐慌、冷害、敗戦後の飢餓、度重なる水害と、災害や飢餓のたびに給食は中央・地方政府の援助を得て、多くの児童・生徒たちの命を文字通りつないてきました。それにかかわった教師、栄養師、調理員、保護者、役人、学者は、給食を、日本の教育や福祉を根本から変えて行く革命的な場所とさえとらえました。一方で、新たに発見した資料によれば、GHQは人道的目的以外に暴動を防ぐための統治技法としても給食をとらえ、アメリカ・オレゴン州の小麦生産者は日本の厚生省と絡みつつ、小麦の市場として学校給食に目をつけます。変革の契機と権力の欲望の交差点である給食の歴史を、明暗両面から考えていきたいと思います。(藤原辰史)
とき〉2018年10月26日(金)午後7:00-8:30
ところ〉新井卓写真事務所
横浜市営地下鉄阪東橋または京急黄金町から徒歩5〜8分
言語〉日本語 (逐次訳)
席料〉一般1,000円/学生または20才以下500円/定員25名/要予約(当日券はありません)
予約はこちらから
Date & Time: Oct 26 (Fri), 2018. 7:00-8:30pm
Venue: Takashi Arai Studio, Yokohama
Language: Japanese
Admission: 1,000JPY/ 500JPY for Students or under-20-year-olds
Seats: 25 / Reservation required
藤原 辰史(ふじはら たつし)京都大学人文科学研究所准教授
1976(昭和51)年北海道に生まれ,島根県で育つ.99年京都大学総合人間学部卒業.2002年京都大学人間・環境学研究科中途退学.京都大学人文科学研究所助手,東京大学農学生命科学研究科講師を経て,13年4月より,京都大学人文科学研究所准教授 専攻・農業史・現代史。主な著作に、『ナチスのキッチン』(共和国)、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書)、『トラクターの世界史』(中公新書)など。
Tatsushi Fujihara / Associate Professor, Institute for Research in Humanities, Kyoto University
Graduation from the Faculty of Integrated Human Studies, Kyoto University. After leaving the Graduate School of Human and Environmental Studies in 2002 he became an Assistant at the Institute for Humanities. Before being appointed to his current position he was a lecturer at the Tokyo University Graduate School of Agriculture and Life Science (Faculty of Agriculture).
<プロジェクト _ 残丘>
新井卓写真事務所では「プロジェクト _ 残丘(ざんきゅう)」と題して、完全自主企画のレクチャー、展示、上映会、対談などをランダムに開催し、日本社会におけるマイノリティやタブーとされてきた思想・文化について多様な視点から知り、考える場を提供しています。毎回登場するゲストは、芸術家や作家をはじめ、批評家、研究者、編集者、活動家など多岐にわたります。ますます深刻化する社会の不寛容や無関心に対して、わたしたちはどう闘えばよいのか?ひとりずつ考える小さな手がかりを探します。
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