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赤坂憲雄/藤原辰史・著『言葉をもみほぐす』(新井卓・写真)

  民族学者・赤坂憲雄さんと歴史学者・藤原辰史さんによる往復書簡、岩波『図書』での連載が単行本になりました。 赤坂憲雄/藤原辰史・著『言葉をもみほぐす』(岩波書店) 民俗学・歴史学という各々の専門分野からの越境を厭わず、知力をふり絞り、引き裂かれながら現実に向き合う二人。同時代を生きてあることの歓びを感じながら、言葉を揉(も)み、解(ほぐ)し、思索を交わした、二〇一九年から二〇年にかけての往復書簡を、銀板写真(ダゲレオタイプ)とともに書籍化。この期に及んでなおも言葉の力を信じて。 一昨年だったか岩波編集部の渡部さんから、この穏やかに見えてその実おそるべき闘いの場のため拙作をいくつか提供してほしい、と言われ戦慄したことが、はるか昔のことに感じられる。二人のまぶしい知性の間を行き来する書簡を一つまた一つとひもとくうちに私生活は破壊的に変わり、呆然とするいとまもなく、世界はパンデミックの脅威に覆い尽くされていた。ウイルスがどのように生まれたかに関わらず、それはあくまで自然の一部である。そして人間に無関心な自然に翻弄され浮かび上がる諸々の現実はわたしたちの本性にほかならず、そこにはいつも歴史に見いだされる共通の人間のかたちがある。 闘いの形は変化している、と二人は言う。その闘いは個々人の身体と言葉を通して土壌につながっており、撤退と敗北の時代に、わたしたち亡きあとの希望を身ごもっている。

寄稿:『日本オーラル・ヒストリー研究』第16号

2019年9月8日、日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)で発表した内容が学会誌に掲載されました。 19〜20世紀前期肖像写真史についての簡略な紹介と肖像写真におけるエコノミーの原理、ナンシーの記憶の分有について、アウグスト・ザンダーとジョナサン・トーゴヴニクに見る脱コンテクスト化された肖像の可能性、拙作「明日の歴史」(10代の肖像シリーズ)についてなど。 ※刺激的なご縁をいただいた根本雅也さん(社会学者/松山大学准教授)、たいへんありがとうございました。 – 新井卓, 肖像写真略史と今日の実践 ― 他者の記憶の〈分有〉のために, 『日本オーラル・ヒストリー研究』(16), 日本オーラルヒストリー学会, 2020. ARAI Takashi, A Brief History of Portrait Photography and Today’s Practice: For the Partage of Others’ Memories, Japan Oral History Review (16), Japan Oral History Association, 2020

『談』no.117「因果論の戯れ」

哲学誌『談』(水曜社)117号が刊行になりました。三氏のポートレイトに加えて、グラビア・ページに「重力の虹」(デジタル&アナログカラー写真、5点組)も担当。 今号は量子論特集で、個人的には吉田伸夫さんのカルロ・ロヴェッリ論にときめきました(SFファンとして)。

BOMB #150: Portfolio by Takashi Arai & Jacob Kirkegaard

Along with my dear friend Jacob Kirkegaard, a renowned sound artist, I contributed some images from my projects to BOMB magazine! BOMBマガジン150号で、ヤコブ・キルケゴールの作品とともに拙作が特集されました。ヤコブは森美術館の紹介で2013年に出会っていらいの無二の親友であり、最も尊敬するアーティストの一人。現在制作中の新作は彼との協働になる予定です。 https://bombmagazine.org/articles/takashi-arai-and-jacob-kirkegaard/

『現代詩手帖』連載終了

2017年から3年間続いた『現代詩手帖』表紙とエッセイの連載が終了しました。2020年1月号から、表紙は画家の中上清さんへリレーとなったようで嬉しい。中上さんは、2006年に横浜美術館で川島秀明さん、藤井健司さんと一緒に滞在制作した折に出会い、美術の世界で右も左も分からず不安で一杯の時から、変わらず叱咤激励してくださった心の師の一人。 月に一度書くという初めての仕事は、思ったより何倍も難しかったが、自由気ままに試行錯誤できたのは、編集長の藤井一乃さんの懐の深さによるところに他ならず、本当にありがたい機会をいただいたと思う。涼やかなデザインの中に拙作を大事に融合してくださった清岡秀哉さんにも感謝。 2000文字足らずの連載に四苦八苦しながら、時折二十代を振り返りつつ書く時間は、いままで自分がどれほど多くのことを置き去りにしてきたか、直視する過程でもあった。これほど拡散してしまった自己の砕片を一つにかき集める手立てはあるのだろうか。答えの見つからないまま、まもなく、新しい一年が訪れる。

『現代詩手帖』表紙+エッセイ連載中

このところ更新が滞っていますが、月刊『現代詩手帖』(思潮社)にて表紙作品とエッセイ「陽の光あるうちに」昨年につづき今年も連載を継続しています。 編集長の藤井一乃さん、グラフィック・デザイナーの清岡秀哉さんのチームで、はや2年半がすぎました。 9月号は金時鐘特集、そして上野千鶴子さんのインタビューなど。ぜひ、読んでください。 https://www.shichosha.co.jp/gendaishitecho/      

原爆の図丸木美術館学芸員の岡村幸宣さんが発行する同人誌『小さな雑誌』第90号が届きました。 私の連載「百の太陽を探して」通算22回目は、2015年に海上から福島第一原発を撮影したときのこと、第三話完結編です。 現在、執筆陣の半数が岡村家の人々という素敵な雑誌です。購読希望は下記岡村さんホームページがらご本人まで。 丸木美術館学芸員日誌

今年1月から表紙イメージとエッセイを連載中の『現代詩手帖』8月号が発売されました。 今月の拙稿「陽の光あるうちに」は飯舘村のヤマユリについて。 一年間の連載ももう三分の二に差しかかりました。早いものです。 詳細/注文はこちら

Camera Austria International 133 | 2016 Book Review “Shigeo Gocho 1946-1983” (2004, K.K.Kyodo News, Tokyo) Takashi Arai “Behind the surface layer of dispersed things in daily life, occasionally, the incomprehensible shadows of human existence flit through.” Shigeo Gocho [Nippon Camera, February Issue, 1980.] Shigeo Gocho was born in 1946, just a year after Japan’s surrender and the end of WW2. Behind the high fame of his contemporaries, such as Daido …