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GRAYS, SEEING [3 Persons' Exhibition]

GRAYS, SEEING 新井卓+橋本雅也+藤井健司 新井卓事務所は今夏、移転します。お世話になったみなさまへ、感謝と新しい門出の挨拶にかえて、三人の作家による新作展を開催します。 会期: 2019年6月1─9日 / June 1─9, 2019 時間: 土日 Sat/Sun 11:00─19:00 / 月─金 Weekdays 15:00─19:00 場所: 新井卓事務所 横浜市南区高砂町1-3-4-1F 見ている、灰色を── 白と認識し、黒と認識し 或いは、ゆっくりと深く沈めて 呼吸は波となり、 輪郭が潮に解けるのを待つ 灰色のあわい、霧のまにまに 形あるものたちの眠り 早朝に西に沈む太陽、明瞭な軌跡 星々の運行と共にして 草木は時を知る 石なる時間のあす、人ならぬ 目を瞑る花々の昨日   橋本雅也(はしもとまさや) 1978年岐阜県生まれ。独学で彫刻を学ぶ。主な個展に「殻のない種」(ロンドンギャラリー/東京/2012年)、「間なるもの」(金沢21世紀美術館デザインギャラリー/2014年)、グループ展に「生きとし生けるもの」(ヴァンジ彫刻庭園美術館/静岡県/2016年)、「物語る物質」(高松市美術館/2017年)「5 rooms─けはいの純度─」(神奈川県民ホールギャラリー/2018)など。 藤井健司(ふじいけんじ) 横浜、バンクーバー(カナダ)拠点。 10歳より水墨画を描き始める。 20代は、もっぱら野外での写生に専念する。 30歳前後、韓国雪嶽山での厳冬期の体験をきっかけに、写生から少しずつ離れる。やがてそれは、心の景色を捉える「心景」となる。 2018年、カナダで濃霧のウィスラー山に登る。 以降、「無」を描いている。 新井卓(あらいたかし) 1978年川崎市生まれ。現在、神奈川県横浜市、川崎市、岩手県遠野市を拠点に活動する。 黎明期の写真技法・ダゲレオタイプ(銀板写真)によるシリーズ、映像制作、執筆ほか多岐にわたる活動を展開。2016年に第41回木村伊兵衛写真賞、2018年映像詩『オシラ鏡』で第72回サレルノ国際映画祭短編映画部門最高賞など。東京国立近代美術館、スミソニアン博物館、ギメ美術館ほか多数の美術館に作品収蔵。単著に『MONUMENTS』(PGI、2015)などがある。

いずれの場合にも、賭されているのは、見てのとおり、縁取りと開かれの関係、眼窩と穴の関係である。何ものかが眼差しのまわりにまとわりついている。タブローが形象のまわりに組織化される、というだけでは十分ではない。さらに、この形象がその眼差しのまわりに──その幻視(ヴィジョン)、その千里眼(ヴォワイヤンス)のまわりに組織化されるのでなければならない。眼差しには何が見えているのか、眼差しが見ている、もしくはまなざしているはずのものとは何か。これこそがもちろん問題の核心である。 ジャン=リュック・ナンシー『肖像の眼差し』岡田温史・長友文史=訳, 人文書院, 2004. 唯一の相違は、他の人たちがはっきりしないまぼろしに満足するのに対し──私はいつも顔全体を見たいのです。 カール・シュピッテラー「イマーゴー」『ノーベル賞文学全集3』主婦の友社, 1972. だれしも生きている者を彫刻したいと思う、しかし生きている者のなかで彼を生かしめているものは、疑いもなく、そのまなざしなのだ。 矢内原伊作・宇佐美英治=編訳『ジャコメッティ 私の現実』みすず書房, 1976, p.132        

Apocalypse: Then and Now

Apocalypse: Then and Now Curated by Dr. Thalia Vrachopoulos February 13, 2019 – April 5, 2019 Opening Reception: February 13, 2019, 5:30 – 8:00 PM The Anya and Andrew Shiva Gallery, John Jay College of Criminal Justice 860 11th Avenue, New York, NY 10019 Following text is quoted from the official press release: The exhibition “Apocalypse: Then and Now” reflects sinister omens for the future as seen in our daily life and …

百の太陽を探して 北アメリカ(十)カボチャの名前(前編) 新井卓   (丸木美術館学芸員・岡村幸宣さんの同人誌『小さな雑誌』No.85掲載原稿より転載) ──一発の原子爆弾で街が見渡すかぎりの焦土と化した翌年、広島では、カボチャが不思議によく採れたのだという。 敗戦間際、アメリカ最新鋭の爆撃機・B29は、ときおり不可解な小数行動をとることがあった。おおかたは偵察と思われたが、まれに、凄まじい威力の爆弾を一発だけ、投下することがあった。 敗戦の前日、八月一四日に春日井に落とされた爆弾について調査していた市民団体は、米軍の出撃記録に当日のデータがないことに気づく。それは、マンハッタンプロジェクトの一環として、

2017年、文化人類学者の中原聖乃さんのお誘いで、民博の共同研究に参加して以来、多分野の研究者に出会う機会に恵まれた。彼ら/彼女たちの緻密な仕事を識るたび、人類がいかにしてひとつひとつ丹念に、石を積むようにして知の足場を築いてきたのか(わたしたちがいかに「巨人の肩の上にのる小人」であるか)、遠く見上げるような気持ちになる。芸術もほんらいそのようにして、

Project Monadnock – Session #08: Document Scotland – An introduction to Scottish Documentary Photography Jeremy Sutton-Hibbert / Photographer, Founder of Document Scotland   Jeremy Sutton-Hibbert will introduce a few of the main projects form his 28 year career as a freelance photojournalist. This will feature his work from Sintesti, Romania, where he documented over many years the lives of the Roma; his environmental work for Greenpeace International including his images …

プロジェクト_残丘 セッション#08: ジェレミー・サットン=ヒバート「Document Scotland -  スコットランド・ドキュメンタリー写真への誘い」

プロジェクト_残丘(Zankyū)セッション #08: ジェレミー・サットン=ヒバート(写真家,写真集団ドキュメント・スコットランド創始者) 「Document Scotland – スコットランド・ドキュメンタリー写真への誘(いざな)い」   〈プロジェクト_残丘〉第9回, 2019年第一弾はスコットランド在住の写真家・ジェレミー・サットン=ヒバートをゲストに迎え, 28年の活動歴で蓄積された主要プロジェクトのほか, 写真集団ドキュメント・スコットランドの活動について, さらには, ドキュメンタリー写真発祥の地である当地の写真史と「今」について共有する. ルーマニアのロマの人々の生活を長年記録しつづけたシリーズ「Sintesti」, 環境NGOグリーンピースの委嘱で日本の調査捕鯨団を追ったルポルタージュ, 2年間にわたり「コモン・ライディング」と呼ばれるスコットランド国境の風習を記録したポートレイトとルポルタージュのシリーズなど──今回紹介されるサットン=ヒバートによるプロジェクトのいくつかは, 2019年にイギリスおよびアメリカで発表予定の作品を含む. 写真集団ドキュメント・スコットランドは, 2012年3人の仲間とともにサットン=ヒバートが結成したグループで, 近年スコットランド内外で大きな注目を呼んでいる. 同グループが2019年1月, マーティン・パー財団(イングランド)で開催する展覧会について, また彼らの目指す写真について, 最新の動向を聞く.

プロジェクト_残丘(Zankyū)セッション #07: 藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授/農業史・現代史)「給食の裏面史──アメリカの贈り物の内実」 Project Monadnock: Session #07 Hidden History of Japanese School Meal Program: the Truth inside the American Gift Tatsushi Fujihara / Associate Professor, Institute for Research in Humanities, Kyoto University   日本の給食の歴史は、貧困児童の対策として19世紀末から始まった、と言われています。その後、関東大震災、昭和恐慌、冷害、敗戦後の飢餓、度重なる水害と、災害や飢餓のたびに給食は中央・地方政府の援助を得て、多くの児童・生徒たちの命を文字通りつないてきました。それにかかわった教師、栄養師、調理員、保護者、役人、学者は、給食を、日本の教育や福祉を根本から変えて行く革命的な場所とさえとらえました。一方で、新たに発見した資料によれば、GHQは人道的目的以外に暴動を防ぐための統治技法としても給食をとらえ、アメリカ・オレゴン州の小麦生産者は日本の厚生省と絡みつつ、小麦の市場として学校給食に目をつけます。変革の契機と権力の欲望の交差点である給食の歴史を、明暗両面から考えていきたいと思います。(藤原辰史) とき〉2018年10月26日(金)午後7:00-8:30  ところ〉新井卓写真事務所 横浜市営地下鉄阪東橋または京急黄金町から徒歩5〜8分 言語〉日本語 (逐次訳) 席料〉一般1,000円/学生または20才以下500円/定員25名/要予約(当日券はありません) 予約はこちらから  Date & Time: Oct 26 (Fri), 2018. 7:00-8:30pm Venue: Takashi Arai Studio, Yokohama Language: Japanese Admission: 1,000JPY/ 500JPY for Students or under-20-year-olds Seats: 25 / Reservation required  藤原 辰史(ふじはら たつし)京都大学人文科学研究所准教授 1976(昭和51)年北海道に生まれ,島根県で育つ.99年京都大学総合人間学部卒業.2002年京都大学人間・環境学研究科中途退学.京都大学人文科学研究所助手,東京大学農学生命科学研究科講師を経て,13年4月より,京都大学人文科学研究所准教授 専攻・農業史・現代史。主な著作に、『ナチスのキッチン』(共和国)、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書)、『トラクターの世界史』(中公新書)など。 Tatsushi Fujihara /  Associate …

百の太陽を探して 北アメリカ(九)ミセス・レイコ・ブラウン 新井卓   (『小さな雑誌』83号(2015年)より転載/編集・加筆あり) 光の、白い、緩慢な爆発──ブラインドを斜めに貫く陽光によって鋭角に切り刻まれ、テキサス州サン・アントニオの朝は、こうしていつも唐突に幕をあける。 みるまに上昇する外気温に追い立てられるように起き出し、コーヒーを淹れ、まぶしい真夏の戸外へ、無理矢理に身体を投げ出す。この日、サウスウエスト工芸大学の社会人向けの陶芸教室で人に会う約束があったから、遅刻するわけにはいかなかった。 明るい陽光が一杯差し込む教室では、七、八人の男女が作業台やロクロに向かって、めいめい作品作りに没頭していた。 「タカシさん?あなた!ずいぶん待ったのよ!」 日本語の大きな声に驚いて振り向く。淡い色の瞳で、カラフルな開襟シャツを着た彼女は、ひと目ではとても日本人と分からない風貌だった。よく通る声で話す彼女は、終始にこやかで、全身から何か強烈な陽のエネルギーを放射しているかのようだった。約束の時間にはぴったりのはずだったが、念のため遅くなったことを詫びてから、作業用の椅子に腰掛けた。陶芸家の彼女は、足を悪くして一度は引退を考えたものの、長年の友人であり工芸大で教えるデニスの強い勧めもあって、今もこの教室で制作を続けている。

プロジェクト_残丘(Zankyū)セッション #06: 尾家康介(弁護士)「〈移民大国〉JAPAN──知られざる人権問題と移民たちの現在」 Project Monadnock: Session #06 Japan as a Land of Immigrants: Today’s Foreign Residents and Hidden Human Rights Violations and Kousuke Oie / Attorney, Hiroo Park Law Firm   日本に「移民」はいない──なぜ、日本人はそう信じつづけてきたのだろうか。 しかし現実には、日本は世界第4位の移民受け入れ大国(※)であり、飲食店やコンビニエンス・ストア、農漁業、介護、建設の現場にいたるまで、新興国よりもたらされた労働力なくしては、もはや社会は立ちゆかない。 日本政府は『骨太の方針2018』で外国人労働者受入れ拡大の方針を打ち出し、2025年までにさらに50万人を受け入れるという。 一方で「現代奴隷制」とも非難される外国人技能実習制度や、入国管理局で繰り返される人権侵害──わたしたちは、移民たちと手を携え隣人として生きる準備を本当にしてきたのだろうか? 在日外国人の権利擁護のため、そのキャリアを通じて闘いつづけてきた弁護士・尾家康介氏に、現場から見た移民たちの現在を聞く。(※OECD加盟35ヵ国中) とき〉2018年9月22日(土)午後6:00-7:30  ところ〉新井卓写真事務所 横浜市営地下鉄阪東橋または京急黄金町から徒歩5〜8分 言語〉日本語 (逐次訳) 席料〉一般1,000円/20才以下・在日外国人は無料/定員25名、要予約 予約はこちらから  Date & Time: July 14 (Sat), 2018. 5:30-7:30pm Venue: Takashi Arai Studio, Yokohama Language: Japanese Admission: 1,000JPY / Free for under-20-year-olds and foreign residents in Japan Seats: 25 / Reservation required  尾家 康介(おいえ こうすけ)弁護士/広尾パーク法律事務所 …